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視力低下の影響は?老眼や白内障を放置すると認知症の原因に

高齢者の視力低下は、学習力や理解力、記憶力などをつかさどる認知機能に大きな影響を及ぼすことが明らかになってきた。
白内障などで目が見えにくい状態を放置することは、認知機能の働きを弱め、認知症の原因にもなりうるという。

加齢によって視力が低下した場合の対処や視力回復方法には、どのようなものがあるのだろうか。

目の良い人ほど認知症になりにくい!脳と眼の関係

白内障が認知症の原因に?

奈良県立医科大学が65歳以上の男女3,000人を対象に行った臨床研究によると、視力と認知機能のあいだには明確な相関関係があり、視力の良い人ほど認知機能が高く保たれている結果となった。
また、視力が悪い人の中には、認知機能が認知症レベルまで低下している例もあり、「視力の悪い人は視力が良い人の約2倍、認知症の発症リスクが高い」という。

視力低下が認知機能に影響する理由は、脳が外部の情報の約80%を視覚から得ているためだ。視力の低下はそのまま脳への刺激低下につながり、ひいては脳の働きを衰えさせる原因にもなる。

白内障手術は認知症予防に効果的

高齢者の視力が低下する原因の一つとして、よく知られているのが白内障だ。加齢とともに眼の水晶体が白く濁り、ものが見えにくくなる状態をさす。
水晶体の白濁は徐々に進行し、それに比例して視力も低下するが、ほとんどのケースは手術(白内障手術)により治療可能となっている。
白内障手術とは濁った水晶体を破砕し人工レンズに置き換える外科手術で、成功率は高く、白内障により低下した視力を回復させる効果も大きい。

筑波大学が白内障手術を受けた55~93歳の患者88名(認知症ではない)に、手術前と手術から2か月経過後の2回、調査を行った結果によると、手術によって見えやすさが改善することにより、認知機能にも明らかな改善が見られたという

認知症は発症前が勝負!視力をキープして認知症を予防しよう

このように、視力と認知機能は密接に関係していることが近年の研究でわかってきた。
一方、すでに認知症を発症している場合は、白内障手術を受けて視力が回復しても認知機能を回復させる効果は期待できないという。
視力低下に気づいたときは、放置せず眼科に相談し、原因と視力回復の方法を相談するのが大切だ

高齢者の中には、ものが見えにくいと感じても「年だから仕方ない」「手術は怖い」等の理由から特に対策を取ろうとしないケースも多いが、白内障のように治療可能な病気であれば、積極的に治療を受けたほうが、認知機能の低下を防ぎ、ひいては老後の生活の質を高めることにもつながる。

高齢化社会において、高齢者が老後を健康に生き生きとすごすことがテーマになっている現在、視力と認知症の研究は、老いを健康的に過ごすための一つのヒントになるだろう。

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