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知っておきたい白内障。認知度は7割でも症状や治療への理解は1割未満

知っておきたい白内障

目の病気・老化現象に関する症状の中で「白内障」の認知度は「老眼」に次いで第2位。多くの人が、年を取ることで白内障が発症しやすいことを知っている。
だが、白内障の具体的な症状に対する理解は乏しく、80歳までに100%の人が白内障になるという事実もほとんど知られていないことがわかった

白内障は、濁った水晶体を人工の眼内レンズに置き換える手術(白内障手術)を受けることによって治療可能だが、この眼内レンズに複数の種類があり、どのようなレンズを選ぶかによって術後の見え方が異なるという事実も知られていない。

国民の4人に1人が65歳以上と言われる現代の日本において、老化現象の一つである「白内障」についての正確な知識は不可欠。白内障の正しい症状や治療を理解し、いざ白内障となった場合に、戸惑うことなく治療を受けられるだけの知識を持つことが重要となっている。

眼科用の医療機器や点眼薬などを開発・製造する日本アルコンは、9月、全国の40歳以上の男女計約300人に「目の健康」に関する意識調査を実施した。

その結果、五感の中で「視覚」をもっとも重視すると答えた人の割合は全体の約83%と、大多数の人が視力を一番大切だと考えていることがわかった。一方で、定期的に眼科検診を受けている46.2%と全体の半数以下。目の不調や不具合を感じた人のうち実際に眼科にかかった人の割合は40代が13.2%、50~60代で30%台と低い水準にとどまっている。

また、聞いたことがある目の病気や老化現象という質問では、1位が「老眼」(89.1%)の次に「白内障」(73.7%)の認知度が高いものの、80歳以上で白内障を発症している人の割合は?との質問に、正解である「ほぼ100%」を選択できたのは全体のわずか8.3%だった。
白内障の症状についても、「白っぽくかすんで見える」「ぼやけて見える」などはそれぞれ7割、6割以上の認知度だったが、「遠く(近く)が見えづらくなる」「物が二重・三重に見える」「光が以前よりまぶしく見える」などの症状は3割以下の認知度に留まっている。

一見、老眼や疲れ目と混同されがちな症状も多いが白内障の発症率は50代でも30%を超える。これらの症状が目に表われた場合は、億劫がらずに眼科を受診したほうが良いだろう

白内障は外科手術で治療可能。眼内レンズを選ぶことで見え方も調整できる

知っておきたい白内障

高い発症率を示す白内障だが、外科手術によって濁った水晶体を取り除き、代わりの眼内レンズを挿入することで視力回復は可能だ。公的医療保険も適用されるため、費用も5万円前後(3割負担の場合)ですむケースが多い

白内障手術に使われる眼内レンズには、近く(あるいは遠く)の一箇所にのみピントが合う「単焦点レンズ」と、遠近両方にピントが合う「多焦点レンズ」がある。単焦点レンズの場合、ピントが合わない一方の距離を見る場合は老眼鏡が必要になる。多焦点レンズの場合も細かな文字を見る場合などは老眼鏡が必要になるケースがあるが、単焦点レンズよりも老眼鏡の使用頻度を抑えることができる。
ただし、公的医療保険が適用されるのは単焦点レンズのみで、多焦点レンズは自費診療。費用も単焦点レンズの10倍~20倍ほどかかるため、すべての人に向く白内障治療とは言えないが、手元資金に余裕があり、手術後の見え方を重視する人は選択肢の一つとなるだろう

白内障はよく知られた目の病気である反面、症状や発症時期、その後の治療についての認知度は決して高くない。
放置すれば白濁が進行し失明にいたるケースもあるだけに、症状に気付いた時は早目に眼科を受診し、複数の選択肢の中から自分に合った白内障治療を受けるようにしたい。

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