子供の視力低下に気づいたら? -近視の原因と視力回復の方法-

子供の視力低下

子供の視力低下が見つかるのは、多くの場合、小学校入学以降の学齢期。「黒板の文字が見えにくい」といった本人からの訴えや校内の定期視力検査で明らかになるケースがほとんどです。

「子供が学校の視力検査でC判定(視力0.6~0.3)をもらってきた」「遠くを見るときにいつも目を細めている」など、子供の視力低下を目の当たりにしてショックを受ける保護者の方は少なくありません。
本特集では、子供の視力低下をテーマに、視力低下(近視)の原因、視力回復に役立つ様々な方法などをわかりやすく解説します。

子供の視力低下の原因は?

子供の視力低下は、多くの場合「近視」です。近視とは、目の焦点(ピント)が網膜よりも前で結ばれている状態のことで、近くが見える代わりに遠くのものを見づらくなります。
近視の原因は、現代の医学でもはっきりとはわかっていませんが、「遺伝説(遺伝的要因)」と「環境説(環境的要因)」という2つの有力な説があります

近視眼・画像

遠視眼・画像

子供の視力低下の原因1:遺伝説(遺伝的要因)

遺伝説(遺伝的要因)は、近視になる原因として、親からの遺伝など生まれつきの要素が大きいとする説です。近視の遺伝率は89%と高く、近視の発症に関わる遺伝子も見つかっていることから、専門家のあいだではこちらの説が広く支持されています。

特に強度の近視は遺伝との相関関係が強く、10歳以前などの比較的低年齢から症状が表れます。生まれつき眼球の前後が横に長く、焦点が大きく前にずれているために起こるもので「軸性近視」とも呼ばれます。

一方、10歳以降ごろから始まり、徐々に進行するタイプの近視は、眼球の成長にともなって起こると考えられています。眼球が成長すると、水晶体と網膜のあいだの距離が長くなり、光の焦点の位置が徐々に前方に移動します。
子供の目は通常、大人より「遠視」の度合いが強く、網膜よりも後ろに焦点を結んでいる場合が多いため、焦点が前にずれてくることで網膜の上にピントが合う「正視」の状態となりますが、なかには生まれつき遠視が弱い(あるいはまったくない)ケースもあり、その場合は眼球の成長にしたがって焦点が前にずれることで「近視」の目となるのです。

子供の視力低下の原因2:環境説(環境的要因)

一方、環境説(環境的要因)は、長時間のパソコンやスマートフォン操作、照明の明るさ設定、栄養バランスといった外部の要因によって近視が進むとする説です。遺伝説だけでは説明しきれない近視の原因として有力視されています。

環境を原因とする近視は、1時間以上1か所を見つめ続ける作業で起きやすいと言われているため、テレビやゲームの時間を制限したり、パソコン作業では50分に1回遠くを見るなど意識的に目を休める方法が有効です。

視力低下を放置すると子供の発達に悪影響

このように子供の視力低下には複数の原因があり、臨床現場では「遺伝」と「環境」の双方が複雑にからみあって近視を進行させると考えられています。
ただし、いずれの原因であっても、親が子供の視力低下を放置すると、子供は本来目から得るべき様々な情報をキャッチしにくくなり、知力や感性の発達に悪影響を及ぼす可能性があることを忘れてはいけません
ものを見にくい状態で生活することは、眼や脳に過度の負担がかかるだけでなく、事故やケガの原因になる場合もある等、生活の質をいちじるしく下げるため、わが子の視力低下に気づいたときはすぐに対策をとりましょう

子供の視力回復方法は?

眼鏡・コンタクトレンズ

もっとも低リスクで効果が高い視力回復方法。強度の近視や乱視の場合は、矯正技術が求められるため認定眼鏡士を置いている眼鏡店を選ぶほうがベター。見栄えなどの観点から眼鏡をかけたくない場合は、中学生以上からコンタクトレンズを導入しても良い。

生活習慣の見直し

普段の生活の中で目に良い習慣を取り入れていく方法。近視の進行防止や眼精疲労の解消には一定の効果が期待できる。ただし、強度の近視や遺伝性の近視の場合、視力回復効果は限定されることが多く、眼鏡などの矯正器具やレーシック等の外科的な視力回復方法との併用が不可欠

  • テレビ・ゲーム…1日30分など時間を決める
  • パソコン・スマートフォン…50分に1回、5~10分程度目を休ませる
  • 照明…テレビなどを見る場合は必ず電気をつける。勉強など机に向かう作業のときは手暗がりの部分をデスクライト等で補うと良い
  • 姿勢…背筋を伸ばす。パソコンは50cm以上、テレビ画面では2m以上、本やノートは30cm以上の距離を開けると良い
  • 栄養バランス…青魚・緑黄色野菜・豆類などをまんべんなく摂る。摂取しにくい場合は補助的にサプリメントを活用しても

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視力回復グッズ

眼球周辺の筋肉の緊張を緩和する3D絵本やスマホアプリを利用する方法。ピンホールメガネなども眼の調節機能の緊張をやわらげる働きがある。直接的な視力回復効果は疑問視されているが、目の筋肉をリラックスさせ、近視の進行や眼精疲労の解消に一定の効果が期待できる

立体視画像「ステレオグラム」を利用した視力回復グッズ。立体画像を浮かび上がらせる過程で目の焦点を近距離と遠距離の双方に合わせるため、近距離作業で凝り固まった眼の緊張を緩和する

ピンホールメガネ

ピンホールアイマスク

アイマスクのピンホールからものを見ることで眼の焦点位置を移動し、眼球周辺の筋肉をほぐす効果がある

オルソケラトロジー

寝ている間に装着する特殊なコンタクトレンズで角膜の屈折率を変え視力を回復する方法。昼間の眼鏡着用が不要になる点がメリット。デメリットとしてはレンズ交換や定期健診などのランニングコストがかかる点が挙げられる。コンタクトレンズを管理できる年齢(10歳以上)であれば選択肢の一つになる。導入する場合は事前に装用テストがあるため、コンタクトレンズの適応状況や視力回復の効果等をチェックしたい

新宿近視クリニック

新宿近視クリニック・画像

新宿に拠点を持つレーシック眼科。オルソケラトロジーは新宿院、大阪院とも対応。子供のオルソケラトロジーにも積極的に取り組んでいる

オルソケラトロジー費用
両眼15.8万円(税込)
※コンタクトレンズ代・3か月目までの検診代込み
※3か月以降の検診代は1回3,000円
※装用テスト5,400円(税込)別途
※コンタクトレンズ定期交換時にレンズ代両眼5.4万円(税込)

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神戸神奈川アイクリニック

神戸神奈川アイクリニック・画像

全国9箇所に医院を持つレーシック眼科。オルソケラトロジーは三宮院で対応。厚生労働省とFDA(アメリカ食品医薬品局)に認可された日本初のオルソケラトロジーレンズを使用

オルソケラトロジー費用
両眼18万円(税込)※現金一括払いで3,000円割引
※レンズ保証:3カ月間
※適応検査・コンタクトレンズ代・薬代・3か月目までの検診代込み
※フィッティングレンズ試着5,000円(税込)別途
※3か月以降の検診代は1回1,000円(税込)

神戸神奈川アイクリニック公式サイトへ

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レーシック

医療用レーザーで角膜を削り屈折率を調整することで視力回復をはかる外科手術。矯正器具(眼鏡など)を利用した視力回復方法に次いで視力回復効果が高く、眼鏡の着用を避けたい場合に有効な選択肢となる。眼球の成長がストップし、視力変動が少ない20歳以上が対象。手術後は再近視化・ドライアイなどのリスクもあるため、保証制度のしっかりしている眼科を選びたい。

神戸神奈川アイクリニック

神戸神奈川アイクリニック・画像

東京・大阪・名古屋・滋賀など全国6箇所に拠点を持ち国内最大規模を誇るレーシック眼科。レーシック費用は両眼15万円(税込)から。インフォームドコンセントにも力を入れており、実績・保証制度・サービスともに信頼度が高い

神戸神奈川アイクリニック公式サイトへ

品川近視クリニック

品川近視クリニック・画像

120万件以上のレーシック実績を誇る大手レーシック眼科。手術はすべて眼科専門医が対応。レーシック費用は両眼7万円(税抜)から。上位レーシックについては最大10年間の再手術費用を保証しているほか、会員制の割引制度も実施している

品川近視クリニック公式サイトへ

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早期発見が欠かせない弱視

近視ほど知名度は高くないものの、子供の視力低下で近視と同じくらい注意したいのが「弱視」です。弱視とは、眼鏡等で視力を矯正しても視力を得られない状態を言います。

視力は本来、脳が眼からの情報を受けることで発達しますが、生まれつき左右の視力がいちじるしく異なっていたり(不同視)、強度の遠視であったりした場合、本来受け取るべき視覚情報が脳に伝わらず、脳の視力をつかさどる部位(視中枢)が適切に発達することができません。そのため、眼の機能には問題がないにも関わらず、ものを見ることができない「弱視」の状態となるのです。

弱視は成人となってからの治療が難しいため、脳が視覚回路を形成する生後2ヶ月~6歳くらいまでのあいだに気づき、専門の治療を受けることがなによりも重要です
弱視治療では、視能訓練士や小児眼科医の指導のもと、アイパッチ(黒い眼帯で視力が良いほうの片眼を覆い、弱いほうの眼を意識して使用する治療方法)などを行います。弱視を発見し早期に治療を開始することができれば、視覚回路形成期の子供であれば、ほとんどが確実な視力回復効果を望むことができます。

3歳児健診や小学校就学前健診では、近視だけでなく、弱視やその原因になりうる遠視・不同視などを発見するための視力検査が行われます。子供の視力低下とそのリスクを十分に認識したうえで、これらの検査をしっかりと受け、わが子の眼の異常に気を配りましょう

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